30代主婦が10代の時に読んでいた本

書評

正月帰省で実家に帰りました。帰省時の部屋は結婚前に使っていたわたしの部屋。だいぶ整理しましたが、当時読んでいた本をそのまま残してあります。

16~20歳くらいの頃、思春期特有のモヤモヤや不安をたくさん小説に助けてもらいました。今回はそんなわたしの青春時代を彩った小説たちを紹介します!テーマは「あこがれ」です。

 

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高校生活・大学生活へのあこがれを深めた小説

当時の読書日記によるとこの本たちを読んでいたのは2002~2006年ごろ。大学の受験勉強を除いた16~21歳の時に読んでいた小説です。

同世代の登場人物の人間ドラマや心理描写はもちろんのこと、その学生生活はリアルや漫画・ドラマとは違った新鮮さと深さがあってとても大好きでした。

大学生活へのあこがれは受験勉強にもとてもポジティブに影響していたと思います。

 

レヴォリューションNo.3 / 金城一紀

文庫版のジャケット・・・どえらいシンプルになっちまったな・・・単行本新装版が作風をうまく表現していて好きです。

落ちこぼれ底辺高校のメンバー(通称ゾンビーズ)が繰り広げる学園青春もの。なんて言ったってお嬢様女子高校の学園祭に突入する作戦が「レヴォリューションNo.3」なのだから。

 

とはいえただのバカ騒ぎで終わらないのがこの小説の良いところ。バカでしか消化できない不安・鬱憤・絶望。そしてバカでしか昇華できないアツイ友情と絆。

女のわたしからみてこういう「男子特有の青春」にすごく清々しさとあこがれがあります。

 

岡田准一主演で映画化された「フライ・ダディ・フライ」は実はこの「レヴォリューションNo.3」からのスピンオフだったりします。

 

反乱のボヤージュ / 野沢尚

廃寮をおしすすめる大学と、学生寮に住む学生を描いた現代版学生闘争。

 

大学が寮に送り込んできた元刑事の名倉との交流を通じて成長していく薫平の奮闘は、それまで大人と言えば親か教師しか知らなかったわたしにすごく広い世界を感じさせてくれました。

個性豊かな寮生たちもまた、高校生活とは180°違う「大人の世界」として煌めいて見えて、大学生活へのあこがれが強くなりました。

 

読了の余韻と大学合格の達成感を得た2004年に作者が急逝(自殺)したこともあって、個人的にすごくメッセージを受け取った作品です。

 

翼はいつまでも / 川上健一

こんなにも純粋で尊く多幸感に満ち溢れた青春小説はあっただろうか(いや、ない)・・・

青森県・十和田湖を舞台に中学三年の神山くんの初恋の物語にビートルズの名曲が彩を添える、10代のわたしが一番泣いた小説。

 

I wanna hold your hand。
日本語訳では「抱きしめたい」。

だけど、手と手からしか伝わたない「心の交流」に体中から震えが止まらなかった。手をつなぎたい。その衝動と距離感が力強い筆致でつづられていてたまらなくいい。

 

十和田湖はすごく気になるけど、わたしはこの作品の世界観が好きすぎるので絶対に見に行かないと心に決めてる。それくらい好きな作品。

 

日本以外の国へのあこがれに心を馳せた小説

高校生の頃、村山由佳さんにドはまりして既刊を読み漁る。おいコーシリーズも全部読んでる。続編、いつまでも待ってる(切実)

そのなかで、海外を舞台にしたものを2つ。村山さんの小説はどれも英語でつけられたサブタイトルがとてもよくて、その意味や英語のもつ表現力にも魅せられてた。

 

青のフェルマータ / 村山由佳

心の傷を負い声を失ったリオがオーストラリアの海とイルカとのふれあいで「自分」を取り戻していく物語。

 

リオは話せないので心理描写が多い。異国の地での英語の会話・イルカの声。言葉なんかいらない。そんなメッセージが込められた小説に流れる「フェルマータ・イン・ブルー」の旋律。

奏者の解釈によっていかほどでも変わる音楽記号フェルマータのメタファーがすごく自由と開放を表現していて好きだ。

 

日本語では青のフェルマータ、副題はFermata in Blue。青色の世界(海)に誘われるやさしく生命力の溢れる小説。

 

翼 ~Cry for the moon~ / 村山由佳

こちらの村山作品も心に傷を負った女性が主人公で、魂の再生地となる舞台はアメリカのアリゾナ。

ネイティブ・アメリカンの言葉と教え。そのスケールの大きさにすごく圧倒されながら550ページを一気読み。

 

副題のCry for the moonは「ないものねだり」の意。恵まれ豊かであるはずの日本に生まれ育ち、持っているもの・見失っているもの・忘れてはいけないものを考えるきっかけにもなった作品。

 

友達以上?同性の友達へのあこがれを教えてくれた小説

友情?親愛?愛情?
友達?親友?恋人?

学生時代の濃い人間関係の中で同性の友達に対して、少しでも「友達以上の気持ち」を抱いたことのある人は多いんじゃないかな?

7人に一人。いまやAB型や左利きと同じくらいの割合でいると言われるLGBT。LGBTという言葉が今みたいにメジャーになるはるか以前、10代のわたしは「この気持ち」の正体を知りたくて小説を読み漁っていた。

 

いろいろ読んだ結果、「友情か恋愛とか、答えを出さなくてもいい」「わたしだけじゃない」といろいろと楽になれた。

世界を知らないある意味でのイノセンスや繊細さ、そして大人と子どもの間だからこその自分勝手で盲目的な感情と行動。

そういう思春期のみずみずしい刹那が切り取られてて、なんていうか全思春期はとりあえず青春小説を読め!

 

BAD KIDS 海を抱く / 村山由佳

生徒会長の恵理が抱く同級生・都への想い。サーファーの光秀が抱える父親の闘病と家族の問題。安楽死。性と生への希望・絶望・渇望。てんこ盛りになったテーマをすべて飲み込んで受け止める海と夏みかん。

リアルすぎる描写なので一見官能小説だけど、その包み隠さないリアルさが力強く「生とは?」という問いを突き付けてくる。

年齢を重ねて読み返すと、作中の大人たちの強さと弱さがより一層理解できるようになったのでまた何度も読み返してる作品。

 

男子学生の同性への恋を描いた「BAD KIDS」も好きです。もともと「BAD KIDS」のサイドストーリー的なのが「海を抱く」なんです。登場人物や場面が同じになってて両方読むと3倍楽しめる。

 

藍色夏恋

台湾発、むずキュン青春小説!
大好きな親友に好きな人ができた・・・あぁぁもどかしい!

 

小説は絶版なので映画版のリンクを貼ります。最近「台湾巨匠傑作選2018」でデジタルリマスター版が再上映されたらしい。

台湾が本当に美しい。日本とはまた違う鮮度溢れるシーンがいっぱい。

国は違っても学生の悩みは万国共通なんだなって思えてとても親近感がわいた。チェン・ボーリンくんもまたかっこよくて眼福。

 

まとめ:本はその人を作る。

本との出会いは一期一会。

  • 大人になったからこそ味わえる本。
  • 大人になってしまったからこそ味わえない本。
  • 大人になってなおまた違った味わい方ができる本。

 

でも、どの本も「今の自分」を作る礎になっています。感じたこと・考えたこと・浸った世界、ぜんぶ大切な記憶と記録。

多感な時期に読んだ小説はどれも大事な仲間。みなさんも子どもの頃に読んだ本を思い返してみてはいかがでしょうか?

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