Perfume「Future Pop」最先端の音楽が醸す懐かしさの正体

Future Pop ジャケットPerfume

「COSMIC EXPLORER 」以来2年4か月ぶりにリリースされたPerfumeの「Future Pop」。

前作を聞いたのはまだ引っ越す前だし次男はお腹の中にいたしで、すっごく昔のことのように思いつつもあっという間だった・・・

10代でデビューしたPerfumeが、20代最後の年にリリースした今作。Future Popというタイトルにふさわしい、「近未来型テクノポップユニット」の完成形を見せつける名盤です。

 

 

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10年前、GAMEで「近未来」を打ち出していたPerfumeに、時代が追い付いた

フューチャーベースのシングル曲が続いているし、タイトルも「無限未来」だったりでここ最近のPerfumeからは「未来感」が強かったけど、聞いてみれば先入観とは真逆の歌モノが多めな正真正銘のPopsだった・・・!

 

(世界デビューが決まった)JPNの時は「これがJapanです!」みたいなPopsだったけど、Future Popからは「これがPerfume です!」っていう自信と貫禄がひしひしと伝わる。

COSMIC EXPLORERで見せた「ゴリゴリの未来型SF」とは使ってる音色も違って、全体的に印象が「懐かしい」。

なんでこんなに懐かしいのかと考えていたけど、単なる郷愁や哀愁の「懐かしさ」じゃなくて、もしかしたら「親近感」や「安心感」なのではないかと思いました。

 

Tiny BabyのチョコレイトGAMEを思わせる天空のサビ。FUSIONで聞ける「私と」の低い声。普段の3人を生身に感じられる、エフェクトが控えられた歌声・・・

 

未来を謳っているいるアルバムにいるのは、どれもずーっと今まで見てきたPerfumeの3人なんだよね。

 

Future Popが見せるのは2018年からの未来ではなく、あの頃のわたしたちが思い描いていた未来の再現である。

『Future Pop 感想《GAMEのReframe》』
想像してたものと180°違うアルバムがきて期待が大きく裏切られたと同時に、その裏切りのベクトルが自分の好みをトレースしていて『最高のアルバム来たなぁ…』と思い…

こちらの記事では ”GAMEのreframe” という表現だったけど、むしろこのアルバム自体が今までのPerfume のReframeなんじゃないかなぁと感じました。

と、よく見てみるとアルバム冒頭のFuture Popで宣言されてた。

あの頃と 意味は違うけど
そうボクらは 生き続けてきた
再現する 未来の全てを
空気が
―Future Pop (中田ヤスタカ)

Reframeでこれまでの映像資料が流れた時にも感じた懐かしさ。それはやっぱりわたしが「思い出の共有者」であるからで、Future Popを聞いて感じる懐かしさも(大体のところ)ファン歴と比例してると思っています。古参バンザイ。

ということで、(わたしがPerfumeを好きになった2008年からの)年月を想いながらアルバムを聞いていると、やっぱり「10年」というのがテーマのように感じられますね。

 

地方民が見たTOKYO


「東京」がタイトルになった曲ってめっちゃいい曲ばっかり。と、同じように思っている人が他にもいるらしい。

 

東京を歌う曲になぜ名曲が多いのかを改めて考える。【前編・外から見た東京】 - KKBOX
「東京」をテーマにした曲には名曲が多い。沢山の人がそう語る。もはやそのことは日本の音楽シーンの定説の一つになったと言ってもいいだろう。でも、果たしてそれは何故なのか? 改めてその理由をいくつかの切り口から分析していこうと思う。
東京を歌う曲になぜ名曲が多いのかを改めて考える。【後編・内から見た東京】 - KKBOX
「東京」をテーマにした曲には名曲が多い。その定説の理由を改めて様々な切り口から分析するのがこのコラム。前編では「外から見た東京」、つまり地方出身者から見た東京の街をキーワードにいくつかの曲を紹介してきた。「東京」という言葉を通して、新生活への夢や希望、愛しい恋人との出会い、別れ、故郷への思い、そういう様々な人生の転機と...

 

わたしは大阪出身なので、この記事で言う「外(のひと)から見た東京」の歌が気になる。個人的に東京には興味がないんだけど、「東京で頑張ってる人が見る景色」に興味がわくんですよね。

チャットモンチーは上京して最初に出したアルバム冒頭で  ”ハチの巣みたいだ 東京 働きバチの行列だ” と言ったその8年後には ”純粋ではいられない街 ここ東京” って歌ってて、どうしても東京にはストイックな印象しかない。

Lighting Lighting 照らして
Singing 今日も着飾って
ハッピー feeling good 見渡して
めいっぱいに手を伸ばして
ーTOKYO GIRL  (中田ヤスタカ)

 

広島県出身のPerfumeだけでなく、プロデューサーの中田ヤスタカも石川県からの上京組ですね。

14歳のPerfumeと23歳の中田ヤスタカがタッグを組んでから15年間。どういう景色の中で “めいいっぱい手を伸ばして” ここまで来たのかと思うと胸に迫るものを感じます。

 

ここからもっと上へ。ここからもっと遠くへ。ここからもっと前へ。

 

そうやって一歩一歩積み上げてきた軌跡みたいなものが、ジャケット写真の光線とダブってまた胸が詰まる。(この光線、光じゃなくて白い紐で作ってるっていうアナログ感がまた「生身の温度」を感じられてたまらんちょたまらんちょ。)

 

“If you wanna love me”


「Perfumeには解散はない。」

商業アーティストである以上、求められなければ活動は続けられなくて、それは徳間からデビューしたころの3人が崖っぷちで身に染みて感じていたこと。

 

だから3人はことあるごとにLIVEで謝辞を述べるし、なにより、わたしたちファンよりも増して3人自身がPerfumeを渇望しているようにみえる。

  • 応える
  • 応え続ける
  • 応え続けなければいけない

その原動力とプレッシャーは計り知れないけれど、「求め求められる」シナジー効果はファンも感じていることでもある。

 

そう思いながら聞いてると、

  • ”If you wanna love me” (If you wanna)
  • ”You make me happy everyday” (Everyday)

 

Futur Popのなかで唯一 ”You” が使われた2曲の意味としては

  • Perfumeから見たYou (=わたしたち)
  • わたしたちから見たYou (=Perfume)

どちらも成り立つわけです。

 

何この相思相愛解釈。 多幸感しかないんですけど。

 

この解釈にたどり着いて以来、Everydayが「泡の曲」から「神曲」に殿堂入りしましたよっと。いやほんと、育児家事に追われる毎日で、新曲の発売日やライブイベントだけが非日常との懸け橋になってます。

You =あなた。ええ、つまり「Perfume To Anata」。P.T.Aバンザイです。

 

Future Pop は 「P.T.A」の「P.T.A」による「P.T.A」のための名盤である

Perfumeの20代最後の夏にリリースされたFuture Pop。

 

彼女たちの20代は夢の武道館から始まり、シャンデリアハウスでコントやったり、これまた夢の東京ドーム公演どころかドームツアーまでやってワールドツアーまで飛び回るほどに。

かたやわたしの10年なんて大学卒業→新卒フリーター→結婚出産という、平凡でのっぺりしたものです。

 

それでもこの「10年」には間違いなく「Perfumeとわたし」の思い出がたくさん詰まっています。

  • 初めての公演はmixiで知り合ったファンの子と石川まで遠征
  • トゥワー2列目で食い入るように見ていたダンス
  • 婚姻届けを出した翌日に買いに行ったレーザービーム
  • 聖地ってだけで決めた新居
  • ドーム公演参戦で夫とプチ旅行
  • 転勤引越前日に見たJPN広島
  • 陣痛中に受け取ったMagic of Love
  • 義両親に息子を預けて見に行ったぐるんぐるん
  • 息子たちがお気に入りのパンセ

 

ファンの誰もにこうした「Perfumeとわたし」があって、そのドラマをリフレインさせるFuture PopがP.T.Aのみんなの心を打つ理由じゃないかなぁ。

 

「最新のPerfumeが最高のPerfume」。現代日本のミュージックシーンの最先端は間違いなくここにある。ファンはもちろん、ファンだった人やファンじゃない人も必聴の一枚です。ぜひ。

 

 

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