こんにちは、専業主婦歴7年のみてみて(@look_mam_look)です。
毎週火曜日はハグの日!から1年。名ドラマをもとに現代の結婚を数字で紐解いた「『逃げ恥』にみる結婚の経済学」が発売されたと聞いて、さっそく読んでみました。
「結婚しなくてもなれる幸せ」って具体的にどういうものよ?でも結婚観についてわたしなりに考えてもみましたが、するもしないも人生を大きく左右するのが結婚。
結婚してる人もしていない人も、婚活中の人もこの本を読んで人生について考えてみませんか?
- 「逃げ恥」ロスになった方
- 育児家事の分担について悩んでいる方
- 専業主婦(主夫)になりたい方
- 専業主婦(主夫)と結婚したい方
- 婚活中の方
- お金の不安で働き方に悩んでいる方
順番に解説していきますね!
「逃げ恥」にみる結婚の経済学
テレビや離れが進むと言われる21世紀に、一大ブームになったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。
契約結婚と2人の恋愛模様(ムズキュン)をテーマに老若男女の心を鷲掴みにした名作ドラマを例に、現代の結婚・婚活のリアルと結婚が経済に与える影響について考察を深めた名著です。
白河桃子さん
本書のテーマは結婚と経済学です。
結婚についての章は「婚活」ブームの仕掛け人で「婚活時代」の著者である白河桃子さんの考察。
働き方や日本社会の歩みとともに日本における結婚のバックグラウンドや現代の婚活・若者の恋愛事情についてリアルな感触を伝えてくれています。
是枝俊悟さん
経済学というと難しく聞こえますが、やはり数字に出して考える「見える化」の作業が必要です。こちらは子供の頃からデータ分析と少女漫画が好きだった(!?)という異色のエコノミスト、是枝俊悟さんによる解説。
例やシミュレーションが多く、とてもわかりやすいのに納得感がある分析になっています。
男性・女性、両方の視点での「結婚分析」はもちろんですが、本書からはおふたりの「逃げ恥愛」がこれでもかと伝わってくるので、ドラマを見ていた方にはいっそう楽しめる内容になっていますよ。

放送では見切れていた契約についての試算データまでDVDのコマ送り機能を使って分析とは!愛ですね!
「逃げ恥」にみる結婚の経済学はこんな方にオススメ!
「逃げ恥」は全部見た。「逃げ恥ロス」も体験したという方。
育児に追われる毎日で火曜日がだけが本当に癒しでした。夫婦で、友人たちで楽しくドラマの話題で盛り上がった方も多かったのでは?
ドラマがヒットした理由の一つとして、「視聴者の誰もが登場人物の誰かに共感できた」というストーリーだったのではないかなと思っています。
多様な価値観がある現代だからこそ、悩みや迷いは一つじゃない。
本書では、ドラマのキャラクターたちがそれぞれの葛藤している悩みや迷いの背景を、社会学やデータをもとに深く掘り下げているので、「逃げ恥(現代社会)の解説書」としてもかなり楽しめます。

読んでいると、またドラマを見たくなってくる~~!!
夫婦の家事分担に悩んでいる方
共働きが増えてきてはいますが、まだまだ片働きの家庭もあります。子供が小さいならなおさらですよね。
共働きだと収入に応じての家事分担、専業主婦家庭だと家事と仕事は分業している家庭も多いです。
しかし、経済学の観点では、「働いていたら得られたはずの稼ぎが、育児家事をすることで失われた(機会喪失)」という考え方で家事分担について分析を進めていくようです。
本の帯では専業主婦の場合の試算ですが、共働きの場合は収入差を当てはめてみましょう。

あなたのご家庭ではどうでしょうか? 納得の解説は本をチェックです!
外で働いているんだから家事はしたくない!という男性、もしくはその妻
「奥様が専業主婦になることで、本来得られたはずの稼ぎが失われた(機会喪失)」ということで考えると、育児家事をしたくない男性は女性の分まで稼げないと割にあわないんですよね。
いつでも手がかかる未就学児の世話をすると長時間労働になり、それに真っ当な対価をつけようとすると支払は月37万円にも及んでしまいます。これだけの金額を支払うために必要な夫の手取り年収は891万円、税引き前では約1250万円にもなってしまいます。p.121 ―第3章 育児の対価はいくら?「雇用型」から「共同事業型」へ
特に育児はがんばれば良いというものではありません。長時間つきっきりになるので精神的にも負担が大きいです。金額で「見える化」はしても、男性の育児参加はプライスレスな価値がたくさんあります。
本書ではワンオペの負担だけでなく、共働きによるメリットもシミュレーションして解説されています。

男性の説得にはデータや数字の「見える化」が有効みたいなので、この本を読んで一緒に考えてみましょう!
結婚してもバリバリ働きたい!という女性
力仕事が機械化されるにしたがって、働く能力という点では男女の差はなくなってきました。しかし、、、
「できる男性」に女性が惹かれる構造があり、できる女性(自分で稼げる女性)も、自分と同等以上にできる男性を選んでしまう。できない男性を選べない。これが「同類婚」の正体です。ところがその後が難しい。いざ子育てに突入すると、できる女性ほど、できる男性を選んでいるわけですから、夫は長時間労働だし自分のキャリアを優先したい。性別役割分業に従い、女性がキャリアをワンオペ育児に突入です。p.169 ―第4章 生存戦略としての結婚2.0は「共同経営責任者」

ちょっとハッとさせられる指摘です。。。
育児も家事も女性がやって仕方ないと引き受けてしまうこともあり、なんだかんだ「無意識のジェンダー意識」のせいで育児家事負担を抱え込んでしまう部分もあります。
男性の育児参加を促すために必要な、女性の意識改革についても触れられていますよ。これにはわたしも反省しなきゃな部分が・・・
いつかは結婚したいという方
35歳童貞の平匡さんは4人に1人30代・年収600万円以上の未婚男性は9人に1人の“優良物件”p.62 p.81 ―「逃げ恥」が象徴する現代日本の結婚事情
未婚率の上昇などを聞いていると、「何かしないと結婚できないかも」と感じる人も多いです。
しかし、何かって何? 婚活を進めるうえで、今の未婚男女のリアルを知る必要がありますね。
本書では
- これまでの結婚観が作られた経緯
- 草食系男子の現実
- 草食系男子との恋愛の進め方
についてもドラマをもとにくわしい分析と解説がなされていますよ。
育児も家事も頑張ってるけど老後が不安・・・という方
- ドラマや漫画では描かれることのなかった平匡・みくり夫婦のライフプラン
- 日野さん一家とちがや(みくりの兄)一家で比較する子育て家庭のお金
- シングルマザーのやっさんから考える「専業主婦の離婚」
などなど、ドラマで親しんだ家族をモデルにした家計シミュレーションのおかげで、実際の生活と比較してイメージがしやすかったです。
とはいえ、シミュレーションはあくまでシミュレーション。本当に大事なのは協力して生活を送っていける夫婦関係であること。
そのヒントは「逃げ恥」のドラマや漫画、そしてこの本にたっぷりと描かれています。
まとめ:ライフデザインのヒントがたくさん
価値観の多様化で、結婚やライフスタイルの設計が自由になった反面、これ!という正解や攻略法がなくなってきています。
逃げ恥では、そんな変化の大きい時代だからこそ、柔軟に形を変えながら人生を乗り切るために大切なことを問いかけてくれました。
「好きの搾取」発言があったり、二人で「経営会議」をしたりと、ひとつひとつ確かめながら、時には後戻りしながら、二人は進んで行きます。この「じれったさ」が「結婚」という言葉ですべてを覆い隠そうとする都合のいいシステムを因数分解し、私たちに「愛と性とお金」について、「男女の結婚というシステム」の再構築を考えさせるしかけとなっているのです。p.72 ―「逃げ恥」が象徴する現代日本の結婚事情

生き方には正解がないからこそ、その時その時の最適解を協力して導き出して行けるパートナーシップが大事。
そのためのコミュニケーションや考え方のヒントがたくさん詰まった「逃げ恥」にみる結婚の経済学は、既婚や未婚に関わらず20~40代男女必読の名著でした!
コメント